車の情報誌「ニューモデルマガジンX」編集長監修
ラパンは「身近な雑貨や家具のような愛着のもてる道具」をコンセプトに掲げ、2002年1月にアルトの派生車として誕生した。それまでスズキの軽自動車所有者の平均年齢は業界平均より高かったが、スペーシア、ハスラーとともにラパンもユーザー層の若返りに貢献してきた1台で、女性に支持されている。
3代目にあたる現行モデルは20~30代の女性5名によるワーキンググループが開発に参画し、デザインから装備、そして純正アクセサリーに至るまで女性視点がふんだんに取り入れられて2015年6月に発表された。
最新モデルにも歴代伝統の箱型フォルムが採用されているが、ぬくもりを感じさせる角丸デザインに仕上がっている。ヘッドランプやドアミラー、リアコンビランプは丸く設計され、花びらをモチーフにしたホイールキャップとアルミホイールにも注目したい。ホイールアーチやバンパー下部に装着されているダークブラウンの材着モールはボディを薄く見せる効果があり、他の軽自動車には見られないポイントと言えるだろう。
「女性は好きな色がないだけで候補から外してしまう」との理由から、ボディカラーの設定にも気を遣ったという。現在はパステル調のカラーを中心に7色が用意されており、一部カラーではルーフとドアミラーがソフトベージュに塗装されるツートーン仕様も選べる。
インテリアのコンセプトは「私の部屋」。テーブル、ソファ、置き時計、フォトフレームといった要素をモチーフにデザインされ、一部グレードではインパネの化粧パネルがホーローをイメージさせる光沢のある仕上げで、カフェのテーブルを思い起こさせる白木目調ガーニッシュとともにユニークさを演出。
そのインパネは上面の高さが抑えられて良好な視界が確保されており、ボックスティッシュが入る引き出し式ボックスや500ml紙パックにも対応したカップホルダーが組み込まれている。
ただ、これらの設置は容易でなかったようで、設計関係者は「インパネの裏側には電動系や空調の構造物が入っていて、各部署の設計者と折衝して容量を確保した」と話す。
最上級のXグレードはライトグリーンとライトブラウンの2色からシートを選ぶことができ、上質感をもたらすパイピング処理が施されている。キルティング風のダイヤステッチはシートだけでなく、天井トリムにも見られる。
置き時計をイメージしてデザインされたメーターパネルにはインフォメーション画面が内蔵されており、エンジン始動時に「おはよう」「こんにちは」「こんばんわ」といったメセージが表示されるほか、バレンタインやハロウィン、クリスマスなどの特定日にはメロディが流れる。
もちろん車両情報や警告ウォーニングも表示され、半ドアやシートベルトの締め忘れなど一部の警告は音声で案内されて運転操作に不慣れなユーザーをサポート。
女性に優しい装備も数多く揃っている。微粒子イオンが肌や髪に優しいナノイーX、紫外線を約99%カットして日焼けから守ってくれるプレミアムUV&赤外線カットガラスはグレードに応じて装備され、運転席シートヒーターは全車に備わる。
全方位モニター用カメラは5万2,800円で用意されており、ディーラーオプションの対応ナビを装着すれば真上から見下ろしているかのような映像や3Dビューで自車の周囲を確認できる。
また、シンプルなバックアイカメラも設定されている。こちらは画面付きオーディオとセット装着されるため、車載ナビが不要なユーザーに最適だ。税込み価格は5万2,800円。
ところで、ラパンとはフランス語でウサギを意味する言葉だ。それに由来して車体のあちこちに「隠れラパン」が散りばめられている。
また、前出のインフォメーション画面に現れるウサギのキャラクターは社内コンペから生まれたという。
プラットフォームの刷新でホイールベースは60mm長い2,460mmに延長され、室内長は105mmも伸びて2,020mmに達している。これに伴って前後乗員間隔は60mm広がって900mmに。一方で最小回転半径は拡大することなく4.4mを維持している。また、ウエストラインは先代より35mm低く設計されていて広いガラスエリアを確保。
ハッチゲート開口部は先代より低くワイドに設計し直されて荷物の出し入れが行いやすくなった。4名乗車時のラゲッジ容量は先代より30L多い115Lを確保。ただ、汚れたボディを触らずにゲートを閉められる内側のプルハンドルが用意されていないのは惜しい。
2015年のデビュー時に設定されていた衝突被害軽減ブレーキは約30km/h以下で作動する低速タイプだったが、その後、改良が繰り返されて2022年6月発売モデルでデュアルカメラ方式にアップデート。これにより、夜間の歩行者も検知対象に加わった。
後退時には4つの超音波センサーが障害物との距離を測って4段階のブザーとメーター表示で知らせてくれるほか、衝突の可能性が高まるとブレーキが作動する後退時ブレーキサポートが標準装備されている。また、誤ってアクセルペダルを強く踏み込んだ時にエンジン出力が抑えられる後方誤発進抑制機能も備わっている。
このほか、車線逸脱警報機能、先行車発進お知らせ機能、自動ハイビーム、進入禁止や一時停止の標識を読み取る標識認識機能もグレードを問わず全車に標準装備。
搭載エンジンはR06A型660cc直3のNAのみ(52ps/6.1kg-m)。
120kgにも及ぶ軽量化や最適化されたCVTによって2WD車はWLTCモード燃費で26.2km/Lをマークしている。減速時に車速が約10km/hを下回ると稼働するアイドリングストップ機構、エンジン停止中もエアコンの冷気が一定時間吹き出るエコクール(ぬるくなるとエンジンが再始動)、オルタネーターの稼働時間を減らすエネチャージなどの燃費向上策が織り込まれている。エコ運転が実践できている時にメーターパネルの一部がグリーンに灯る機構も便利だ。
実際に乗ってみたところ、パワステが当時のアルトよりも軽めに設定されていて街中や駐車場での取り回しがラクに行えそうな印象を抱いた。また、遮音性能も上がっていて加速時のこもり音が抑えられ、静粛性が上がっていることを実感。
2022年6月にはラパンLCが追加されてバリエーションが拡充された。専用形状のグリルとハッチゲート・ガーニッシュが採用され、ヘッドランプはメッキリングで縁取られてレトロな雰囲気が演出されている。内装ではブラウンのレザー調&ファブリックのコンビシート、ミディアムブラウンの木目調ガーニッシュが専用アイテムとして目を引く。
軽自動車は純正アクセサリーのラインナップにも目を見張るものがある。ラパンの場合、内外装をエレガントやファンシーなど、あらゆるテイストに仕立てられる用品が豊富に準備されているため、好きなアイテムを選んで自己流にドレスアップする楽しみもある。タンブラーやキーホルダーなどのオリジナルグッズを手に入れて「ラパン愛」を周りにアピールするのもアリだね。
※画像は2015年デビュー時のもので、現在のデザインと異なっております。
しんりょうみつぐ 1959年3月20日生まれ。関西大学社会学部マスコミ(現メディア)専攻卒業後、自動車業界誌やJAF等を経て、「ニューモデルマガジンX」月刊化創刊メンバー。35年目に入った。5年目から編集長。その後2度更迭され2度編集長に復帰、現在に至る。自動車業界ウォッチャーとして42年だが、本人は「少々長くやり過ぎたかも」と自嘲気味だ。徹底した現場主義で、自動車行政はもとより自動車開発、生産から販売まで守備範囲は広い。最近は業際感覚で先進技術を取材。マガジンX(ムックハウス)を2011年にMBOした。
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