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EVが増えてきたいまだからこそ、おすすめしたいハイブリッド車6選
ハイブリッド車6選
[掲載日:2024年5月8日]

EVが増えてきたいまだからこそ、
おすすめしたいハイブリッド車6選

環境面、とくにCO2排出削減という部分から、各国が内燃機関を持たないEV車の普及を考え優遇措置を進めています。 しかしEV車は、使い勝手という部分から現状ではまだ一般的なものとはなっていません。
そこでおすすめしたいのが、環境面を考えたときよりベターな存在といえるハイブリッド車です。 ここではEV車とハイブリッド車の違いや特長をあらためて確認しつつ、おすすめのハイブリッド車を6車種、ご紹介したいと思います 。


この記事の執筆者
自動車専門ライター 高田 林太郎

     ▼もくじ

  1. EV車とハイブリッド車の違い
    1-1.EV車の特長
    1-2.ハイブリッド車の特長
  2. ハイブリッド車の種類
    2-1.シリーズ方式
    2-2.パラレル方式
    2-3.シリーズ・パラレル方式
    2-4.マイルドハイブリッド
    2-5.プラグインハイブリッド
  3. EV車とハイブリッド車、どちらを選ぶ?
    3-1.EV車をおすすめしたい使い方
    3-2.ハイブリッド車をおすすめしたい使い方
  4. おすすめのハイブリッド車6選
    4-1.トヨタ・プリウス
    4-2.日産・ノート
    4-3.マツダ・MX-30
    4-4.トヨタ・ノアハイブリッド
    4-5.スズキ・スペーシア
    4-6.三菱・アウトランダーPHEV
  5. まとめ

1.EV車とハイブリッド車の違い

まず基本として知っておきたいのは、EV車は充電した電気を使ってモーターで走る車、ハイブリッド車はエンジンとモーターを併用して走る車ということです。 その違いはさまざまなポイントで現れてきます。まずは下の表をご覧ください。

  EV車 ハイブリッド車
航続距離 200〜600km程度 500km〜1,000km
走行に必要な燃料 電気 ガソリン
燃料補充に必要な時間 約30分 約5分

それではEV車とハイブリッド車の特長をそれぞれ見ていきましょう。

1-1.EV車の特長

EV車は電気を使ってモーターで走る車です。そのため騒音が少なく、とくに車内環境は従来の内燃機関搭載車やハイブリッド車と比べて、比較にならないほど優れています。
また、普及促進のための補助金制度も充実していることから買いやすい、というメリットもあります。

充電にかかる電気料金は、一戸建てにお住まいで太陽光発電設備を備えている場合にはよりお得ですし、夜間に充電すれば夜間料金が適用されるため、維持費という部分でも有利になります。
ただし、ご自宅で充電される場合には充電設備の導入が必要になるほか、外出先で充電をする場合には、充電スタンドが利用できるサービスに、月会費を支払って加入しておかなければ不便です。その会費は、充電時間が短くて済む急速充電が利用できるプランが月額約5,000円程度、普通充電プランは月額約2,000円程度となっています。

航続距離に関しては、搭載されているバッテリーの容量によって左右されます。大容量バッテリーを搭載しているEV車は航続距離は長くなるのですが、そのぶん満充電までの時間がかかりますので、その点にも注意が必要です。

1-2.ハイブリッド車の特長

ハイブリッド車は走行を受け持つエンジンの力を利用して、モーターを駆動するための電気を充電することもできるというのが特長となっています。
ハイブリッド車の方式によっても違うのですが、エンジンの力とモーターの力を併用して走るもののほか、エンジンとモーターを切り替えて走るものや、バッテリーが切れるまで純粋にモーターの力のみで走行できる車もあります。もちろんこういう方式を採用している車も、電力が枯渇したら自動的にエンジンが始動し、充電しながらエンジンの力で走ることができます。

もちろん燃料そのものが無くなってしまえば走ることはできませんが、その燃料補給はガソリンスタンドでおこなえるため時間がかかる、ということはありません。

ただし、現在のところ燃料代は電気代よりも高いため、その部分のコストパフォーマンスではEVにはかないませんし、税金などの減免措置も、ハイブリッドの方式の違いによる排出ガス規制のランクで変わってきますので、EVと比べた場合には不利になります。
では、ハイブリッド車にはどんな方式があるのでしょうか。そこを確認していきましょう。


2.ハイブリッド車の種類

ひとことにハイブリッドといっても、エンジンとモーターの組み合わせ方はさまざまです。
そこを詳しく見ていきましょう。

2-1.シリーズ方式

シリーズ方式というのは、搭載している内燃機関で発電機を回し、そこでつくった電気をバッテリーに溜め、モーターで走行するもののことをいいます。
エンジンはあくまで発電のために搭載しているだけで、走行には関わっていません。

古くはポルシェ・ティーガーという第二次世界大戦時の戦車でも採用された方式で、現在では日産のe-POWERやマツダのMX-30 で採用されたe-SKYACTIV R-EVがこの方式となっています。
走行を受け持っているのはモーターですので、EVにもっとも近いハイブリッドといっていいでしょう。

2-2.パラレル方式

走行をおもに受け持っているのは内燃機関で、モーターはその補助として使われる、というのがパラレル方式です。
発進時や加速時といった、負荷が大きい場面でモーターはエンジンの補助をおこない、それ以外の場面ではモーターは発電機として使われています。

2-3.シリーズ・パラレル方式

内燃機関とモーターが並列して搭載されていて、走行状況に応じてエンジンのみ、モーターのみ、エンジンとモーターを併用するという動きをシームレスにおこなっているのが、シリーズ・パラレル方式です。スプリット方式ともよばれています。

この方式では発進時や低速走行時はモーターで走行し、高速道路などでは内燃機関のみ、急加速をするときなどには内燃機関とモーターが同時に駆動する、といった切り替えを自動でおこなってくれます。プリウスなどに採用されているトヨタのTHS(トヨタ・ハイブリッド・システム)がこれです。

2-4.マイルドハイブリッド

マイルドハイブリッドは、方式としてはパラレル方式と同じものですが、モーターの出力が比較的小さいものをそう呼んでいます。

このマイルドハイブリッドは、大きなコストがかからず、また大出力モーターや大容量バッテリーと比べると軽いモーターやバッテリーでありながら内燃機関搭載車の燃費向上に役立つ、ということから一般化しました。コストがかからず軽いということから小型車にも搭載しやすいため、軽自動車などを中心に多く採用されています。

2-5.プラグインハイブリッド

プラグインハイブリッドというのは、EV車のように外部給電が可能なハイブリッド車のことです。夜間などに充電をしておけば、バッテリー容量の関係からEVほどの長距離ではありませんが、モーターのみを使った走行ができます。もちろん、バッテリーに充電された電力が尽きた場合には、自動的にエンジンが始動し走行を続けられるため安心ですし、EVのように非常時に電源として利用することも可能です。


3.EV車とハイブリッド車、どちらを選ぶ?

ではEV車とハイブリッド車はどういう基準で選べばいいのでしょうか。それぞれにマッチする使い方を見ていきましょう。

3-1.EV車をおすすめしたい使い方

EV車はご自宅に充電設備が用意できる、というのが導入の大きなポイントとなります。自宅で充電できないと、使い勝手が非常に悪くなってしまうからです。
また、高速道路を使っての長距離移動は、時間の余裕が必要です。充電に関してはサービスエリアには充電設備があるため不安は小さいですが、まだまだ基数が少ないため待ち時間が発生する可能性がありますし、充電自体にも30分ほどの時間が必要です。
そういった点をふまえて考えると、ご自宅に充電設備が用意でき、行動半径が50〜100km以内というかたであれば、ハイブリッド車よりも使いやすいのではないかと思われます。

3-2.ハイブリッド車をおすすめしたい使い方

ハイブリッド車の使い勝手はこれまでの車とまったく同じで、航続距離は若干長くなります。そのため1台の車で買い物や通勤、帰省などいろいろな使い方をする、というかたにもおすすめできます。とくに年間の走行距離が多い場合、燃費の良さは燃料代の節約に繋がります。車庫の都合などで1台しか車を所有できない、という場合には、現状ではハイブリッド車のほうがおすすめといえます。


4.おすすめのハイブリッド車6選

ハイブリッド車は自動車メーカー各社が、さまざまなボディタイプのものをラインアップしています。
その中から代表的なものを6車ご紹介します。

4-1.トヨタ・プリウス

トヨタ・プリウス

トヨタがハイブリッド車であるプリウスを発売したのは1997年12月のことでした。そのときからシステムはシリーズ・パラレル方式を採用していて、現行型に採用されているTHS IIIは他の追随を許さない高レベルなものとなっています。
またプリウスは、他のトヨタ車のようにガソリンエンジンモデルとハイブリッドモデルを併売しているのではなく、ハイブリッド専用モデルですので、ひと目でハイブリッド車であるということがわかるという特長を持っています。ラインアップの中にはプラグインハイブリッドも用意されていて、日常使用のみであればエンジンを使わずモーターのみで用事が済んでしまう航続距離が実現されています。

4-2.日産・ノート

日産・ノート

日産のハイブリッドシステム『e-POWER』を採用したハイブリッド専用モデルが、2020年に発売された現行型のノートです。搭載しているエンジンは1.2L3気筒ですが、これは発電機を回すためのみに使われていて、走行はすべてモーターの出力が担っています。
ノートはさまざまなバリエーションを持っていることでも知られています。エアロパーツを装備し、スポーティな外観を持つ『オーテック』や、車高を高くしアウトドアユースにも対応できる『オーテック・クロスオーバー』、ボディ幅を広げ上質なインテリアを採用した3ナンバーモデルの『ノート・オーラ』、さらにはこれのスポーティバージョンとなる『ノート・オーラ・ニスモ』も用意されていて、好みに合わせて選びやすくなっています。

4-3.マツダ・MX-30

マツダ・MX-30

マツダ車としてはじめてのプラグインハイブリッド車がMX-30です。走行はすべてモーターの出力によっておこなわれていて、搭載されているシングルローターのロータリーエンジンは、発電機を回すために使われています。ロータリーエンジンは一般的なレシプロエンジンよりも小型、軽量、低振動という特長があるため、発電機として搭載するのに最適、ということから、マツダは830ccのシングルローターエンジンを新開発しました。
車体の骨格はSUVであるCXー30と共通のものですが、ボディデザインはよりスポーティなものとなっているのも特長です。

4-4.トヨタ・ノアハイブリッド

トヨタ・ノアハイブリッド

トヨタのミドルサイズミニバンであるノアにも、ハイブリッドモデルがラインアップされています。
ここで採用されているのはTHS IIという、ひと世代前のシリーズ・パラレル方式のものですが、バージョンアップがおこなわれているために走りの実力は高く、燃費性能もWLTCモードで23.0〜23.4km/Lと高いレベルにあります。ファミリーユースに最適なハイブリッドモデルといえるでしょう。

4-5.スズキ・スペーシア

トヨタ・プリウス

マイルドハイブリッドシステムを採用した軽スーパーハイトワゴンがスズキ・スペーシアです。停車時のアイドリングストップからの再発進時には、モーターの出力のみで動き出すよう制御されているため燃費がよく、動きもスムーズです。
軽自動車が不得意とする坂道や高速道路の合流などで鋭い加速を実現する、パワーモードスイッチも装備されているため、スーパーハイトワゴンとは思えないストレスの無いドライブも可能です。

4-6.三菱・アウトランダーPHEV

三菱・アウトランダーPHEV

2021年にフルモデルチェンジされた三菱のアウトランダーは、古くからプラグインハイブリッドシステムを採用し続けています。現行モデルはパワフルな2.4Lエンジンと、前後輪それぞれに独立したモーターを配置することで、滑らかで力強い走りが実現されています。
搭載しているバッテリー容量が大きいことから、EVモードでの航続距離は約80kmと長いため、日常使用であればガソリンを使わない走行が可能です。また車載100V電源からは最大1500Wの給電がおこなえるため、アウトドアでも電気用品を普通に使うことができます。


5.まとめ

今回はEV車とハイブリッド車の違いや特長、おすすめのハイブリッド車をご紹介しました。

EVは排出ガスを出さないという大きなメリットがありますが、充電という部分に不安なところがあるため、それ1台のみですべてをまかなうというのは、解決すべき点が多々あります。
それに引き換えハイブリッド車は、これまでの内燃機関車と同じような使い勝手でありながらEVのいいところも享受できるため、1台ですべてをまかなうことも可能です。
現在自動車メーカー各社はハイブリッドモデルの拡充を続けています。今回紹介したモデル以外にもたくさんのハイブリッド車があり、そのシステムもさまざまです。

そのためハイブリッド車を選ぶ際には、ご自身の車の使い方にマッチしたものはどれなのか、十分に検討していただきたいと思います。



自動車専門ライター
高田 林太郎
[この記事の執筆者]

自動車雑誌の編集者として出版社に勤務したのちフリーランスライターとして独立し、自動車業界歴は33年。国産・輸入車の試乗記やカスタマイズパーツのインプレッション、自動車周辺企業への取材などをメインにおこないつつ、パーツ開発に対するアドバイスやブランディングコンサルタントなど、自動車業界の現場にてさまざまに活動中。
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倉田 佑一郎
[この記事の監修者]

自動車業界歴20年。24歳で自動車販売・買取の大手FC本部に入社。
加盟店へのスーパーバイジング(経営改善)を得意とし、最優秀サポート賞を複数回受賞。
独立後は多数の企業へ自動車ビジネスの支援をする傍ら、一般ドライバーへ向けた記事執筆や監修を行う。
プロの目線から、愛車の価値を高く保ち賢いカーライフを送る提案を得意としている。


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