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カーリースは中途解約できない! もしものときはリース会社に相談を
カーリースの中途解約
[掲載日:2020年12月14日]

カーリースは中途解約できない! もしものときはリース会社に相談を

カーリースを利用しているとき、海外に転勤になったり、引っ越し先で駐車場が用意できなかったりしたときはどうしたらいいのか、悩んでいらっしゃる方も多いと思います。
基本的には契約中は解約できないことになっているカーリースですが、場合によっては解約が可能なときもあります。
今回はカーリースを中途解約したときに起こる問題とその解決方法、解約のメリットやデメリットについてご説明していきます。


この記事の執筆者
自動車専門ライター 高田 林太郎

     ▼もくじ

  1. カーリースは解約できない
    1-1.解約できるケースもあるがメリットはない
  2. 中途解約の計算方法はプランと残りの契約期間による
    2-1.中途解約できないことへの備えは保険と契約期間
  3. リスクは車の購入とほとんど変わらない
  4. まとめ

1.カーリースは解約できない

期間を決めてカーリース会社から車を借りることで、車を購入したときと同じように車を使うことができるカーリースですが、その契約期間は短期のカーリースを除くと、3年から7年程度が一般的です。

カーリースの契約は、その契約期間中は車を利用し続ける、ということを元に利用料金を算出しています。リース会社としては、途中で解約となると残りの契約期間分のリース料(車両価格の一部)が受け取れなくなり、損害が発生してしまうのです。

そのため、原則として契約期間中の解約はできません。

1-1.解約できるケースもあるがメリットはない

カーリースというのは契約期間が3年から7年程度と、比較的長期間になります。

そのように契約期間が数年単位となると、その間に海外へ転勤になって車が不要となったり、引っ越し先で駐車場が用意できないということもあるでしょうし、お子様が誕生して家族構成が変わり、これまで使っていた車では対応できなくなる、ということもあるでしょう。

そういったやむを得ない事情がある場合には、リース契約の中途解約が認められる場合があります。
具体的には以下のようなものになります。

全損事故を起こしてしまい車が使用不能となった
毎月の利用料の支払いが難しくなった
契約者が亡くなった
海外に転勤となった

このような事情が発生した場合には、まずリース会社に相談をしましょう。

リース会社では個々の事情を勘案し、やむを得ないと判断したときには、解約時の精算や違約金を支払うことで、中途解約できる場合があります。

ただし、細かい対応については、リース会社によってもそうですし、個々の事情によっても変わってきます。

その上での話となりますが、そもそもカーリースを中途解約することによる利用者側のメリットはほとんどありません。
たとえば、契約期間が3年残っている状態で、中途解約できた場合は、その残り期間である3年分のリース料金を一括で支払う必要があるのです。

この精算方法については、次章で解説します。


2.中途解約の計算方法はプランと残りの契約期間による

やむを得ない事情が発生し、契約期間の途中で解約をする場合、利用者は契約満了までに支払うはずの料金を精算する必要があります。

その金額は、利用しているプランや残っている契約期間などによって変わりますが、基本的な考え方は車両返却の場合、『(残リース料+契約時の残価+事務手数料)-(未経過分の税金+ご利用になった車の価値)』というものとなります。

たとえば、5年契約、月々2万円の定額利用料でカーリースを利用していて、丸3年経過したところで解約せざるを得なくなった場合で考えてみましょう。

これまでの3年間で支払ってきた利用料金は72万円ですが、5年間では120万円の支払いが必要 ですので、残っているリース料は48万円となります。
また、契約時の残価50万円、利用した車の価値60万円、未経過分の税金5万円、事務手数料2万円とします。

解約金は(残リース料48万円+契約時の残価50万円+事務手数料2万円)-(未経過分の税金5万円+ご利用になった車の価値60 万円)=35万円
この金額を計算式に当てはめると、解約金は(残リース料48万円+契約時の残価50万円+事務手数料2万円)-(未経過分の税金5万円+ご利用になった車の価値60万円)=35万円となります。


ただし、車両が全損してしまった場合は「ご利用になった車の価値60万円」が無くなってしまうので、中途解約金は95万円になってしまいます。

2-1.中途解約できないことへの備えは保険と契約期間

カーリースを中途解約するとき、解約金が必要となる理由は以上ですが、これでわかるように、全損事故に見舞われた場合には、利用者の負担は大きなものとなってしまいます。

その負担を減らすために、強くおすすめしたいのが、車両保険を付帯した任意保険への加入です。
車両保険があれば、全損事故の場合には、適正な査定額の保険金が支払われるため、利用者の負担は免責金額のみに抑えることができます。

さらに、一般的な任意保険ではなく、カーリース専用任意保険に加入していれば、リース車を利用しているときにだけ発生する、さまざまな問題にも対処できます。
自分だけは大丈夫、などと思わず、きちんと対処をしておくことが、大きな安心感につながります。

また、契約期間の設定というのも、慎重に行いたいポイントです。

一般的に、契約期間が長くなると、月々のリース料は少なくなるかわりに、契約期間が短い場合と比べると、支払い総額は多くなりがちです。
そのため、どちらがいいとはいえないのですが、家族構成の変化や、住環境の変化も予想をして、契約期間を決めるようにしたほうが、リスクを減らすことにつながります。


3.リスクは車の購入とほとんど変わらない

ここまで、カーリースを中途解約した場合に起こるリスクを見てきましたが、じつはこれ、ローンを組んで車を購入するときと、ほとんど変わりがありません。

たとえば、ローンで車を買ったときに全損事故に遭ってしまったときのことを考えてみましょう。

もし車両保険に入っていなければ、車は無価値となり、ローンの支払いはそのまま続くことになります。
車両保険に加入していれば、その時点での車の価値分の保険金が支払われるため、それをローンの残債支払いに充てることができますが、もし足りなかった場合には、残ったローンの金額を支払わなければなりません。

家族構成に変化があって、車を買い替える、という場合にも、前の車のローンは、全額を支払うか、組み換えをするなどしてクリアにする必要があります。

ことリスクという面に関しては、カーリースとローンでの購入には、ほとんど違いはないといっていいと思います。


4.まとめ

今回はカーリースの中途解約について解説しました。

カーリースはやむを得ないと判断された事情がない限り、中途解約ができません。
中途解約ができたときには、解約金の支払いが必要となります。
そこで起こり得るリスクは、ローンを組んで車を購入するのとほとんど同じですが、よりしっかりと対処するためには、カーリース専用任意保険への加入を強くおすすめします。
メリットとデメリットを理解して、上手くカーリースを利用していただきたいと思います。




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自動車専門ライター
高田 林太郎
[この記事の執筆者]

自動車雑誌の編集者として出版社に勤務したのちフリーランスライターとして独立し、自動車業界歴は33年。国産・輸入車の試乗記やカスタマイズパーツのインプレッション、自動車周辺企業への取材などをメインにおこないつつ、パーツ開発に対するアドバイスやブランディングコンサルタントなど、自動車業界の現場にてさまざまに活動中。
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倉田 佑一郎
[この記事の監修者]

自動車業界歴20年。24歳で自動車販売・買取の大手FC本部に入社。
加盟店へのスーパーバイジング(経営改善)を得意とし、最優秀サポート賞を複数回受賞。
独立後は多数の企業へ自動車ビジネスの支援をする傍ら、一般ドライバーへ向けた記事執筆や監修を行う。
プロの目線から、愛車の価値を高く保ち賢いカーライフを送る提案を得意としている。


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