車の寿命・買い替えの目安は何年?
走行距離は何kmくらい?
新車を購入した人の多くは、2回目の車検となる5年目、もしくはその次の車検となる7年目になると、車の買い替えを検討するようです。
しかし実際のところ、車はどのくらい乗り続けられるのでしょうか。
ここでは車の寿命、年数や距離の限界はどのくらいのところにあるのか、ご説明していきたいと思います。
この記事の執筆者
自動車専門ライター 高田 林太郎
新車を購入した人の多くは、2回目の車検となる5年目、もしくはその次の車検となる7年目になると、車の買い替えを検討するようです。
しかし実際のところ、車はどのくらい乗り続けられるのでしょうか。
ここでは車の寿命、年数や距離の限界はどのくらいのところにあるのか、ご説明していきたいと思います。
▼もくじ
一般財団法人 自動車検査登録情報協会によると、平成31年3月末の乗用車(軽自動車を除く)の平均使用年数は「13.26年」となっています。つまり、新車登録されてからの期間・寿命としては13年ほどというのがアベレージです。
しかしだからといって、13年を超えて乗り続けるのが良くないかと言われると、一概にはそうとは言えないでしょう。
個人的な話となりますが、筆者は新車でとある車を買ってから、22年間乗り続けています。
これまで「これはまずい」と感じるトラブルはほとんどありませんでしたが、そのかわり細かな故障を直すために使ってきたお金は、もう1台買える、というところまではいきませんが、それなりには掛かっています。
ではそんな筆者が、自分の車に限界を感じているのか、と訊かれたとき、どう答えるのかというと、まさしくこの1〜2年が判断のしどころかもしれない、と答えます。
その要因は、そろそろ修理するときに必要となる部品が、無くなってきているからです。
話を戻しましょう。
車というのはたくさんのパーツを組み合わせて作られているものです。
その中には、他車種にも使われている汎用部品もあれば、その車専用として開発された、専用部品があります。
なにかのトラブル、たとえばどこかが故障をしたという場合、その故障した部品を交換すれば直す事ができます。しかし、その部品がなければ、直す事ができません。
自動車メーカーは、車の生産を終えてから10年間は部品を在庫しておく事が義務づけられています。そのため最低でも新車の購入後、10年間は乗り続ける事ができます。
しかしその期間を過ぎると、部品を用意するかどうかは、メーカーの都合次第、という事になってしまいます。
人気車の場合には、壊れやすい部品を社外メーカー、サードパーティが生産している場合もありますので、そういう部品を使う事で延命させる事も可能となります。
たとえば1960年代や70年代の車を今でも大事に乗っている人たちは、そういうさまざまな手段を使って部品を確保し、トラブルに対処しているのです。
さらに現在では、3Dプリンターを使って部品を作ってくれる業者も登場してきています。
また自動車メーカーも、過去の人気車については部品の再生産する、という動きも広がってきています。
そういったもろもろの状況を考えると、極端な話、車の寿命は永遠といえなくもありません。
ところが、そんな機械的な寿命とは別に考えなければならない面があります。
それは車を維持し続けるためのコストです。
ご存知のように、車は走ってナンボ、というものです。
ところが今の日本の制度では、新車登録をしてから13年を経過すると自動車税と重量税が増えてしまいます。
昔は10年を超えた車は車検が1年ごととなっていたため、その負担が大きく、10年で車を手放す人が多かったのですが、その点は改善されました。
しかし大事に車に乗っているのに税負担が大きくなる、というのは、ツライ話です。
また、年式が古い車は当然、部品も劣化しているため、修理の頻度が増えます。
部品もどんどん値上がりしていきますので、その点での負担も大きくなります。
さらに、仮に事故に見舞われたとき、修復するために掛かる費用を、車両保険でカバーする事も難しくなっていきます。
そういった点から、乗り続ける事をあきらめてしまう人も多いのです。
こういう側面も含めて考えると、車の寿命というのは、オーナーとなった人の心が折れるかどうか、というところにあるといってもいいかもしれません。
もし、車にとって有害な紫外線を避けて保管できる場所があれば、一時的に登録を外した状態で保管しておけばいいのですが、多くの場合はこれも難しいはずです。
部品についても、石油王とかなら、業者に新規で作り直してもらう事も可能でしょう。
そこまではできない、そこまでの情熱はもうなくなってしまった、というときが、車の寿命なのかもしれません。
中古車屋さんで「これは安い」と感じる車の多くは、いわゆる過走行車です。
1年間で1万km、つまり、5年落ちの車なら5万km以下、というのが標準的で、それよりも走行距離が多い車は、それを理由に価格が低くなりがちです。
車を下取りに出す場合も同じで、走行距離が多いと価格が安くなってしまいます。
では、走行距離が多いというのは、そんなに悪い事なのでしょうか。
まず、走行距離が多い車にはどんな問題が起きやすいのか、見ていきましょう。
走行の基本となるエンジンやミッションですが、現在のエンジンでは10万kmを走行していても、とくに不具合はないと考えていいと思います。
また乗り心地を司るサスペンション。スプリングは10万km程度ではまったく問題がありませんが、ショックアブソーバーはヘタッてしまっている可能性があります。
乗り心地がフワフワしてしまっているようなら、ショックアブソーバーが正確な仕事をしていないかもしれません。
またサスペンションの付け根に使われているゴム製のブッシュの劣化も心配です。
これは細かな振動を吸収する役割を持っているのですが、劣化し硬化していると、細かな振動が伝わってきて乗り心地が悪化してしまいます。
さらにシートや内装は、擦れたり、ヘタっているている可能性があります。
そう考えると過走行車はやっぱりダメだ、となりがちなのですが、ここで注意しておかなければいけないのは、メンテナンスをしっかりと行っている車であれば、過走行と呼ばれる車でもいい状態を保っている可能性がある、ということです。
次にその点についてご説明していきましょう。
たとえば、2万kmしか走っていない車と、15万km走っている車があったとしましょう。
一般的には2万kmの車のほうが、状態がいいのではないか、と思いがちです。
ところが、メンテナンスのやりかたによっては、そうとも言い切れないのです。
これまた個人的な話になりますが、筆者が乗っている車は、現在走行距離が20万kmを超えています。
先日、まったく同じ年式・同じ車の、2.5万km走行という車に乗る機会があったのですが、乗り心地やエンジンのフィーリングは、自分の車のほうがはるかに高レベルにありました。
訊いてみたところ、2.5万km走行のほうは、エンジンオイルの交換もアバウトで、エンジンは高回転まで回さないように走っていたそうです。
またサスペンションは、22年経っているにも関わらず、新車時のままなにもしていない、という状態でした。そのためゴムが劣化しているのに加えて、ショックアブソーバーはヘナヘナだったのです。こうなると、走行距離のみで状態を判断する事はできません。
そこで大事なのが、どの程度オーナーが気を遣ってメンテナンスを行っていたのか、ということなのです。
エンジンオイルの交換といった基本的なものに加えて、大きなトラブルが起きる前にこまめに手を入れておく、という事を続けていけば、いい状態を長期間保つ事ができ、そのぶん車の寿命を伸ばす事が可能となります。
運転のしかたも同じです。
つねに急加速、急制動、急ハンドルを繰り返すような乗りかたをしていると、そのぶん車に対する負担が大きくなり、劣化が早まります。
かといって、つねにだらだらした運転をしている、というのも、車にとってはよくありません。
エンジンやサスペンションなど、可動部が温まるまでは無理な運転をせず、暖まってからはメリハリのある運転をする事が、車にとってはもっともいい状態を保つコツなのです。
ちなみに筆者の車で現在問題だなぁと感じているのは、塗装です。
この22年間、つねに屋外露天駐車だったため、ボディの塗装が日焼けしてしまっているのです。
これを直すためには、全塗装をするかラッピングをする必要があるのですが、どちらにしても多額の費用が必要となります。
そこまでしてまだ同じ車に乗り続けるのか、あるいはここをきっかけに新たに車を買い直すのか。もう少し悩んでみようと思っています。
今回は車の寿命についてご説明してきました。
結局のところ、車の寿命はメンテナンスがしっかりできているかどうかという点に大きく左右されます。
もし、メンテナンスが面倒と感じているのであれば、カーリースへの乗り換えを検討されてはいかがでしょうか。
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月々のお支払い額の中には、点検やオイル交換などのメンテナンス料金、車検時の費用、毎年掛かる自動車税などがすべて含まれています。
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つまり、案内(電話・DM)に従って予約、来店するだけでメンテナンスをほぼ丸投げできるのです。
また、契約期間終了時には「返却」以外にも「延長」「買取り」などの選択肢があるため、最終的には自分の車として買取り、長期的に乗るという選択肢も可能です。もちろん契約期間終了毎に、新車に乗り換えるという乗り方も可能です。
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