2WDと4WDって何が違うの?それぞれの特徴と選び方について徹底解説
車の価格が気になっていろいろ調べていると、同じグレードで同じ装備なのに、2WDと4WDという違いのみで価格が違っていることがあります。そして4WDのほうが価格が高くなっていることがほとんどです。
ではその2WDと4WDというのは、一体なんなのでしょうか。 今回は2WDと4WDの違いやそれぞれの特徴についてご説明していきます。
この記事の執筆者
自動車専門ライター 高田 林太郎
車の価格が気になっていろいろ調べていると、同じグレードで同じ装備なのに、2WDと4WDという違いのみで価格が違っていることがあります。そして4WDのほうが価格が高くなっていることがほとんどです。
ではその2WDと4WDというのは、一体なんなのでしょうか。 今回は2WDと4WDの違いやそれぞれの特徴についてご説明していきます。
▼もくじ
<
車というのはエンジンやモーターといったパワーユニット(PU)が生み出した動力が、トランスミッションを経由してタイヤを動かすことで前進したり後退したりするようになっています。
そのタイヤをいくつ動かしているのかということを表しているのが、2WDや4WDという単語です。
日本語では2WDとはTwo Wheel Driveのことで、日本語でいうと2輪駆動となります。4WDはFour Wheel Drive。4輪駆動ということです。
そのほかによく見る表記として、FFやFR、MR、RRというものもあります。
これも説明しておくと、FFというのはフロントエンジン・フロントドライブのことで、FRはフロントエンジン・リアドライブ、MRはミッドエンジン・リアドライブ、RRはリアエンジン・リアドライブということです。つまり、エンジンと駆動するタイヤの位置を表しているものです。
軽自動車を含むコンパクトカーは、エンジンも駆動するタイヤも前方にあることがほとんどであり、FFの2WDということになります。
FFレイアウトは、エンジンと駆動部分をコンパクトにまとめやすく、ボディサイズが小さい車では空間を有効に使いやすいため、採用例が多くなっています。
例外としてホンダのS660はMRの2WD、スバルが開発し製造していたころの軽トラック、サンバーはRRの2WDでした。
これらは、S660でいえば重量バランスの良さという部分からMRレイアウトを採用していますし、旧型サンバーは空荷のときでも駆動輪である後輪に重さを掛けることで、グリップ力を増すということを考慮しての採用でした。
2WDというのは、駆動輪が2輪となる、一般的といっていい駆動方式です。軽自動車やコンパクトカーから超高級車まで、そのほとんどが2WD、2輪駆動を採用しています。
その大きな理由は、タイヤを駆動するための部品点数が、4WDと比較して少なくて済む、という部分にあります。
部品点数が少なければそのぶん組み立ての手間も少なくて済みますので、結果として車両の価格も少なくて済みます。また部品点数が少ない分、車両重量を軽くすることもできます。
車両重量というのは、燃費に大きく関わってくるものでもありますので、重くなる要素が減るというのは、非常に大きなポイントといえるでしょう。
4WDというのは4輪のすべてに動力が伝わるようになっています。そのため雪道など、滑りやすい路面でも前に進む力が伝わりやすく、それがもっとも大きなメリットとなっています。
スバルのWRX STIや、日産GT-R、ホンダNSXなどといったスポーツカーは、その考え方を一歩進めて、強大なパワーを余すことなく路面に伝えることで少しでも速く走る、ということから4WDシステムを採用しています。
またスズキ・ジムニーやトヨタ・ランドクルーザー、メルセデス・ベンツGクラスなどは、未舗装路や砂漠などを走行する際、速度ではなく確実に前へと進めるよう、4WDシステムを採用しています。
ただしここで注意をしていただきたいのは、進むという部分では4WDは有効ですが、止まるという部分は2WDと変わりはない、ということです。
4WDだから大丈夫、などと過信して滑りやすい路面を走っていると、減速時にコントロールを失ってしまう、ということがありがちですので、その点は十分気をつけましょう。
また2WDと比較して4WDは、部品点数が多いことから重量が増えてしまいやすく、駆動輪が多い分、動かすために必要となる力も多くなるので、燃費は若干劣るという傾向があります。
ただし、たとえば前輪はエンジンで動かし、後輪はモーターで動かすといったような4WDシステムも存在していて、その場合にはエンジンのみで前輪を駆動させる同型車よりも燃費がいい、ということもあります。
つまりこのシステムは、悪路走破性の向上というよりも、燃費向上という部分に主眼を置いたものといえます。そのため2WDと比べた場合には悪路も走りやすくなっていますが、一般的な4WD車と比べたときの悪路走破性は低めですので、滑りやすい路面では過信せず、注意をしながら走行していただきたいと思います。
前輪のみ、あるいは後輪のみにエンジンの力を伝える2WDと、4輪すべてに力を伝える4WDでは、機械として見た場合に大きな違いがあります。
ごく簡単にいうと、2WDに比べて4WDは、より複雑な構造が必要となるのです。
たとえば一般的な前輪駆動2WDでは、エンジンの力を前輪にのみ伝えるため、駆動に関する機構は車体の前側に集中しています。
しかし4WDでは、エンジンの力を後輪にも伝えるために、エンジンがある車体の前側から後輪に向かって、プロペラシャフトという回転力を伝えるための棒が伸びています。また、そのプロペラシャフトが伝えた力を左右のタイヤに分配するための、ディファレンシャルギアやドライブシャフトも装備されています。
こういった理由から、2WDと4WDには大きな違いがあります。
4WDのほうが部品点数が多くなるため、車両重量が重くなる、ということ。
もうひとつは、その重さの違いに加えて、複雑な駆動に関する部品点数の多さが、パワーロスを生みやすいということです。
その違いから、2WDと4WDを比べたとき、車両価格は4WDが高く、また4WDのほうが燃費が悪い、という傾向が強くなります。
ここでホンダのニューモデルである、フィットを例に、ハイブリッドモデルであるe:HEV BASICと、ガソリンエンジン搭載モデルであるBASICの、それぞれ2WDと4WDのスペックの違いを見てみましょう。
ホンダ・フィット
e:HEV BASIC | BASIC | |||
---|---|---|---|---|
FF | 4WD | FF | 4WD | |
価格 | 199万 7600円 |
219万 5600円 |
155万 7600円 |
175万 5600円 |
WLTC モード 燃費 |
29.4 km/L |
25.6 km/L |
20.4 km/L |
18.2 km/L |
車両 重量 |
1180 kg |
1250 kg |
1070 kg |
1160 kg |
e:HEV BASICとBASIC、どちらのモデルも2WDと4WDの車両価格差は約20万円ほどです。
燃費は市街地、郊外、高速道路の各走行モードを平均的な使用時間配分で構成した、国際的な走行モードであるWLTCモード計測で、2〜3km/Lほど2WDのほうがよくなっています。
同型車で2WDと4WDを比べたとき、車両価格の違いと燃費の違いから、一般的には2WDを選んでおくというのが間違いのない選択といえます。
しかし、冬に雪が降ったり路面が凍結するようなところにお住まいの方や、ウインタースポーツがお好きな方など、滑りやすい路面が身近にある方は、4WDを選べば安心感を得ることができます。
通勤などで車を使っているかたが冬の間、毎日ちょっとずつストレスを感じ続けるのと、4WDで良かったと感じながら過ごすのは、価格以上に大きな違いがあるといっていいでしょう。
ただし、実際に自分で探そうとすると4WDをラインアップしている車は意外に少ないと思われるかもしれません。
地域的に4WDのほうがいい、と思っていても、気になる車種に4WDが用意されていない場合はどこかで妥協が必要となってしまいます。
そのためまずは、ご自分が気になっている車に4WDがあるかどうかを調べていただければ、と思います。
月々5,500円~から新車に乗れる「ニコノリ」
国産全メーカー・全車種取り扱いOK
カーリースについて、もっと詳しく知りたい!
という方はこちらをクリック♪
あわせて読みたいコンテンツ
今回は2WDと4WDの違いなどについてご説明しました。
ここで少しだけ、私どもニコノリの紹介をさせていただきたいと思います。
ニコノリでは、国産全メーカーの軽自動車を含む全モデルを扱っています。
そのためスタッフは、各メーカーにどんな車があるのか、だけではなく、この車には4WDがあり、こちらの車は2WDしかラインアップしていないなど、さまざまな情報を日々勉強しています。
お客様の使いかたに合わせて、専属のカスタマーセンタースタッフや店舗スタッフが2WDと4WDのどちらにより大きなメリットがあるのかなど、さまざまなアドバイスをさせていただきます。
車選びについてお悩みのことがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。