車の情報誌「ニューモデルマガジンX」編集長監修
ワゴンRスマイルは2021年9月に発売されたスズキの背高ワゴンだ。初代ワゴンRは1993年にリリースされて現行モデルは2017年から販売されているが、これら歴代モデルと違って両側スライドドアを有する点がセールスポイントに挙げられる。もちろん、従来からのワゴンRも併売されているので、使い方やデザインの好みに合わせて選べる。
スマイルは高いデザイン性がウリに掲げられて「マイスタイル・マイワゴン」をテーマに登場した。四角いボディながら角丸に設計され、丸目ヘッドランプと相まって愛着の湧くデザインをめざした。また、高級感を狙ってラジエターグリルやヘッドランプまわりにはメッキ加飾が施され、華やかに見える表情に仕立てられた。
内装ではインパネ正面の広範囲にわたって装着されたカラーパネルが特徴的で、ボディカラーに合わせて濃淡2色のどちらかが組み合わされる。さらには純正アクセサリーで別色も用意されていて自分好みに仕立てることも可能だ。インパネとドアトリムにはステッチ風の模様が織り込まれているが、これはリアルな手縫いではなく型押しによる演出だ。それでも実際のステッチに近いサイズ感が実現されていて偽物感はない。
パッケージングを見ると、前席ヒップポイントはワゴンRより70mm上がっていて見下ろす感覚を伴う。これはスペーシアと同じ高さなので、車名はワゴンRを名乗っているものの、事実上「背の低いスペーシア」と言っても過言ではない。なお、室内高はワゴンRより65mm拡大されており、ヒップポイント上昇分と同等の空間が確保されて窮屈に感じることはない。
一方、リアシートはワゴンRと同じ高さが維持されていて乗降性、広さともに良好だ。前後に160mmスライドさせられるため、フル乗車のまま荷室を広げたり、リクライニングさせることもできる。
また、スズキの軽自動車に共通の格納機構が備わっており、前倒しに合わせてクッションが沈み込んでフラットな荷台が作り出される。ちなみにスライドドアの開口幅は600mm、ステップ高は345mmで、これらもスペーシアと同値だ。
乗り味はマイルドで、突っ張った印象もない。また、ルーフパネルに用いられたマスチックシーラー、吸音材を兼ねる天井トリムのおかげで上半身を包み込む空間の静粛性は高い。ターボ車は用意されておらず、パワートレインはR06D型の自然吸気エンジン(49ps/5.9kg-m)のみ。エントリーグレードを除き、スターター兼ジェネレーター(2.6ps/4.1kg-m)が併用されてマイルド・ハイブリッドに仕立てられている。おかげでWLTCモード燃費は25.1km/L(4WDモデルは23.6km/L)をマークしている。
こうした特徴を掲げて月販5000台を目標に投入されたが、市場では消費者のニーズにマッチしない部分もあったようだ。その結果を受けて2024年12月のマイナーチェンジで軌道修正が図られた。「上質というキーワードがユーザーに刺さらなかった」と開発関係者が振り返るように、カワイイ系のイメージ強化が図られた。
「ナチュラルユニーク」に改定されたデザインコンセプトに基づき、フロントバンパーと開口部は丸みを帯びた形状に一新されて大らかな印象が強まった。左右ヘッドランプ間のグリルは下方向に縮小され、上半分にボディ色のパネルを装着。また、従来はヘッドランプ全周に配されていたメッキ加飾が部分的に省かれ、強すぎた目ヂカラが抑えられた。微笑んでいるかのようなソフトな表情に変わったのは見てのとおりだ。
気づきにくいが、最上級グレードのバックウインドウ下に装着されていたメッキガーニッシュは「S」マークの両脇に移され、これ見よがしな演出をトーンダウン。
カラーリングでは新ボディカラーのトープグレージュMをボディもしくはルーフに採用。落ち着いた中間色で、まさにナチュラルを表現している色と言えるだろう。
併せて内装のカラーパネルもグレーもしくはモスブルーに色が見直され、フロントドアのアームレストにも同色のパネルが追加されて運転席まわりの質感が高まった。
衝突被害軽減ブレーキに代表される安全デバイスはステレオカメラ式からミリ波レーダー&単眼カメラ併用式のデュアルセンサーブレーキサポートIIに置き換わった。クルマや歩行者だけでなく、自転車とバイク、交差点での右(左)折時の対向車や左右からの飛び出し車両も検知対象に加わった。
使い勝手アップにおいてはパーキングブレーキが電動タイプに進化し、アダプティブ・クルーズコントロールが標準化された(エントリーグレードを除く)。電動パーキングブレーキのおかげでクルーズコントロールに保持機能が加わり、渋滞中でも使えるようになったのは朗報だ。
また、車線逸脱抑制機能が全車に追加装備された。
コネクト機能の追加搭載もポイントに挙げられる。アプリをインストールすればスマホから空調やドアロック、ハザードランプ消灯が遠隔操作できるほか、駐車位置や運転履歴を確認できる。オペレーターと連絡を取れる緊急通報およびトラブルサポートといった安心感向上につながる機能も含まれている。このコネクト機能は新車登録から3年間無料で使える(それ以降は別途手続きが必要)。
キャビン上半分の静粛性が良好であることは前述したとおりだが、マイナーチェンジ前は足まわりからの騒音と振動がフロア全体に共鳴してザーッというノイズが侵入してくる点が弱点だった。今回マイナーチェンジ後の車両に試乗したところ、改善されていることを体感。タイヤとサスペンションの変更、ボディへの減衰接着剤採用が功を奏したと言えよう。
試乗車にはルーフと同色のアンダーガーニッシュおよびアルミホイールが装着され、よりナチュラルテイストを強化。メーカー推奨のコーディネート例は5パターンあるが、もちろん好きなアクセサリーだけを選ぶこともできる。また、アクセサリーなら購入後も装着可能なので、少しずつ自分色に染めていくのも楽しそうだね。
しんりょうみつぐ 1959年3月20日生まれ。関西大学社会学部マスコミ(現メディア)専攻卒業後、自動車業界誌やJAF等を経て、「ニューモデルマガジンX」月刊化創刊メンバー。35年目に入った。5年目から編集長。その後2度更迭され2度編集長に復帰、現在に至る。自動車業界ウォッチャーとして42年だが、本人は「少々長くやり過ぎたかも」と自嘲気味だ。徹底した現場主義で、自動車行政はもとより自動車開発、生産から販売まで守備範囲は広い。最近は業際感覚で先進技術を取材。マガジンX(ムックハウス)を2011年にMBOした。
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