車の情報誌「ニューモデルマガジンX」編集長監修
CX-5はマツダのブランドイメージを大きく変えた貢献者でもある。2012年に発表された初代はSUVながら日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、現行2代目は2017年2月に発売された。
つねに最新技術を反映したクルマをユーザーに届けるべく、マツダは変更点をまとめて織り込むマイナーチェンジを取りやめて頻繁に商品改良を重ねる方式を採用している。CX-5の場合、発売わずか6カ月後の2017年8月にアダプティブLEDヘッドランプや車線逸脱警報が全車に標準化されてサポカーSワイドに適合。2018年2月の改良ではガソリン車の実用燃費アップが図られ、ディーゼル車は15ps/30Nmの出力アップを遂げた。その8カ月後の2018年10月には2.5Lガソリンターボ(230ps/420Nm)が追加設定され、衝突被害軽減ブレーキが夜間の歩行者にも対応。さらに、ナッパレザーシート採用の上級グレードも加わった。2019年12月には4WD車にオフロード・トラクション・アシストが追加され、スタック時に重宝する機構としてアピールされた。
2020年12月の改良ではディーゼル車の最高出力が190psから200psに引き上げられ、アクセル操作に対するレスポンスを改善。この時、エンジンとトランスミッションの制御が見直されただけでなく、オルガン式アクセルに仕込まれたバネが重い仕様に変更された。その結果、踏みすぎて想定以上のパワーが出てアクセルを戻すといったラフな操作から解放され、よりドライバーの意図通りに運転できるよう商品力に磨きがかかった。開発関係者によると、バネの反力は何種類か試して最適なものを選んだという。ラフなアクセルワークが避けられるため、実燃費アップの相乗効果もありそうだ(カタログ燃費は変わっていない)。同時にインパネ中央のインフォテイメント画面が10.25インチに拡大され、コネクトに対応する車載通信機が標準装備された。
CX-60の投入を控え、CX-5もまだまだ現役モデルとして継続販売していく姿勢を示す狙いで、2021年11月には大幅改良が行われた。この手直しでは前後ランプ類やフロントグリル、サスペンション、シートなどがリニューアルされ、各グレードのキャクラターを明確にするためにバリエーション展開も見直された。新設定されたフィールド・ジャーニーはリバーシブルタイプのラゲッジボードやアクトドア用品にインスパイアされたライムグリーンのアクセントカラー、オールシーズンタイヤなどが採用されてアウトドア派にアピール。このフィールド・ジャーニーについて開発関係者は「いままでとは違う路線で新規ユーザーを獲得したい。2代目はかしこまった印象が強かったので、(代替えを敬遠してきた)初代ユーザーも興味を示してくれるのではないか」と話していた。ただ、ラジエターグリルと内装のライムグリーンのアクセントカラーは行きすぎた感もあったのか、2023年の商品改良で廃止済みだ。
一方でブラック外装パーツや赤ステッチ入り本革シート&内装パーツを与えられて精悍さが演出されたスポーツ・アピアランスは、その対極とも言えるグレードだ。
改良では乗り心地の改善にも力が注がれ、サスペンションのスプリングとバネが見直されてピッチ挙動が抑えられた。また、微振動を抑える目的で前席シートはクッションのバネとフレーム取り付け部を変更。併せて骨盤を立たせて脊椎を自然なS字カーブにする構造が取り入れられた。さらに、床下に配された第3クロスメンバーは路面からのエネルギーを吸収する減衰構造によってザラついた路面での振動を抑制。おかげで一般道、高速道路を問わず、しっとりとした滑らかな乗り心地を味わうことができる。デビュー時からの弱点でもあった低いロードノイズも多少改善されている。
ハードウェアを追加することなく、既存ユニットの制御を変えるだけで実現されたMiドライブにはオフロード・モードが含まれている(フィールド・ジャーニーのみ)。
このモードにはクルマが勾配を検知して上り坂なのか下り坂なのかを判断し、それに応じてアイドリング回転数を制御する機能が含まれている。上り坂ではズリ下がり回避のために回転数が上がり、下り坂では車速が出すぎないように回転数が抑えられる。クルマが横を向いている時も適用されるため、バンクでも前輪の向きに応じてエンジン回転数は変わる。
前後輪にトルクを配分するトランスファーにはラバーカップリングが採用されている。プロペラシャフトに動力を伝える部分は歯車で構成されているが、従来は噛み合わせに「遊び」があった。その遊びが騒音と振動の原因にならないよう、じつは絶えず微小なトルクが伝達されていた。だが、最新版ではラバーが挟み込まれて遊びを低減。微小トルクの伝達が不要になったことで実燃費アップといった効果もあるという。
ラゲッジスペースは床面ボードが約50mm高められ、ハッチゲート開口部とツライチになるよう設計し直された。
ボードは2分割のため、前後で高さを変えて背の高い荷物を積んだり荷物が転がり回るのを防ぐことができる。前述したとおり、フィールド・ジャーニーではリバーシブルタイプに仕上がっていて裏面は水拭き可能な防汚仕上げとなっている。
キックセンサーが装着できなくて電動ハッチゲートのハンズフリー化が遅れていたが、リアバンパーを伸ばしてセンサーの取り付けスペースが創出されて実現したのも朗報だ。
ディーゼル4WD車の燃費情報をお伝えしておくと、一般道4割、高速道路6割で計309.8km走った結果、車載燃費計は15.8km/L、満タン法による実燃費は15.0km/Lだった。カタログ燃費16.6km/Lに対する達成率は90%。何より燃料代が3,000円程度で済んだのは、軽油のありがたみを感じられるポイントだ。
いまやCX-5はマツダのグローバル販売の3分の1を占める、まさに稼ぎ頭へと成長した。精悍なブラックトーン・エディションとスポーツ・アピアランス、アウトドアレジャーにふさわしいSUVらしさが魅力的なフィールド・ジャーニー、エレガントさが光るエクスクルーブ・モードといった具合に、ユーザーの好みに合わせてテイストを選べる点も強みに挙げられる。現在は外装パーツがピアノブラックに塗装され、テラコッタ色の合皮シートやブラック天井トリムが個性的なレトロスポーツ・エディションもラインナップされている。
しんりょうみつぐ 1959年3月20日生まれ。関西大学社会学部マスコミ(現メディア)専攻卒業後、自動車業界誌やJAF等を経て、「ニューモデルマガジンX」月刊化創刊メンバー。35年目に入った。5年目から編集長。その後2度更迭され2度編集長に復帰、現在に至る。自動車業界ウォッチャーとして42年だが、本人は「少々長くやり過ぎたかも」と自嘲気味だ。徹底した現場主義で、自動車行政はもとより自動車開発、生産から販売まで守備範囲は広い。最近は業際感覚で先進技術を取材。マガジンX(ムックハウス)を2011年にMBOした。
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