車の情報誌「ニューモデルマガジンX」編集長監修
一代にして48万台の販売実績を積み上げたハスラーは、軽ワゴンに流行りのSUVテイストをミックスしたクロスオーバー商品だ。2代目にあたる現行モデルは2019年12月に発表された。
ひと目でハスラーと認識できるエクステリアはタフで力強い印象に仕上がっている。フロントマスクにはアイデンティティでもある丸いヘッドランプが踏襲され、ボンネットフードは厚みを与えられてボリューム感が増した。各ピラーは立てられてスクエア基調に設計され、ボディ色に仕上げることで力強くて丈夫なイメージが演出されている。また、リアクォーターピラーにウインドウが設けられた点が先代との違いで、ツートーンカラーはまるで脱着式ハードトップが装着されているかのような塗り分けがユニークだ。
タフさは内装デザインにも反映されている。とくに目を引くのが3連インパネガーニッシュで、上下のバーに挟まれて力強い骨格を表現。そのインパネガーニッシュはシート表皮のカラーアクセントとともにコーディネートされ、一部ボディカラーでは2色から選べる。
ラゲッジフロアとリアシート背面は水拭き可能で、汚れを気にせずアクティブに活用できる。荷室下には防汚タイプのボックスが備わっており、取り外して丸洗いできる点が嬉しい。また、ボックスのフタを兼ねる床面ボードを起こせば背の高い荷物も載せられる。
後席スライド機構は3人以上で乗りつつ荷室を広げたい時に重宝する。しかも荷室側から操作できるストラップが採用されている。
プラットフォームには2014年デビューの先代アルトを皮切りに展開が始まったHEARTECT(ハーテクト)を採用。フレーム構造のジムニー、商用車と兄弟関係にあるエブリイを除き、スズキの軽乗用車にハーテクトが用いられた最後発モデルだ。ホイールベースは先代より35mm延長され、その拡大分は後席レッグスペースに費やされて後席居住性が向上した。併せて前席の左右乗員間隔は30mm広がった。
NAモデルには新開発のR06D型エンジンが用いられている。
このエンジンは従来のR06A型と比べてロングストロークで、スズキ軽自動車初のデュアルインジェクション、すなわち1気筒あたり2個のインジェクターが備わっていて燃料を微粒子化することで混合気を均質化。また、同じくスズキ軽自動車初のクールドEGRも採用されており、燃焼温度を抑えることでノッキングが回避されている。
新しいエンジンに合わせてCVTも刷新された。オイルポンプから発生する負荷が減らされ、高効率ベルトによるフリクション低減や軽量化を実現。このCVTはR06A型エンジンが踏襲されているターボ車にも起用されている。
4WD車には滑りやすい路面で車輪の空転を抑えてスムーズに発進できるスノーモード、片輪が空転した場合にブレーキ制御をかけて接地輪に駆動力を配分するグリップコントロール、急な下り坂で車速を7km/h前後に維持するヒルディセントコントロールを採用。なお、先代と比べてアプローチアングルは1度、ディパーチャーアングルは4度、それぞれ拡大された。
スターター兼ジェネレーターによるマイルドハイブリッド化も見どころの一つで、アイドリングストップ状態から静かに再始動する点がメリットに挙げられる。現行ハスラー発売時、他のスズキ軽自動車にはモーター単体でクリープ走行できる車種も存在したが、ハスラーでは採用が見送られた。これについて開発関係者は「エンジンの性能アップで走り出しの熱効率が改善され、モータークリープ走行のメリットが薄れたから」と説明する。結果的にバッテリー容量が少なく済んでコスト上昇を回避できた点も朗報だ。
NAモデル、ターボ車ともに日常の足として乗るには十分な性能を有している。とくにターボ車のステアリングホイールにはPOWERモードが設置されており、ONにするとモーターが積極的にアシストして狙った車速まで素早く加速できる。
ちなみに市街地160km、郊外160km、高速道路100kmの計420kmを走った結果、NA・2WDモデルは20.1km/L、ターボ4WDモデルは19.1km/Lで、その差は意外にも小さかった。
新プラットフォームや環状骨格構造、スズキ初採用の構造用接着剤によってボディ剛性が高まり、しっかり感が増して操縦安定性と乗り心地の両方が向上。なかでもリアまわりのノイズと振動は大幅に改善され、段差を乗り越えた時の乗り心地は明らかに改善されている。静粛性アップに貢献する軽自動車初の高減衰マスチックシーラーは雨音やこもり音を低減する効果がある。
夜間の歩行者も検知する安全デバイスはデュアルカメラ方式で、踏み間違え時に最大5秒間ほどエンジン出力が抑制される誤発進抑制機能、車線逸脱警報&逸脱抑制機能、自動ハイビームも備わっている。
また、後退時に障害物との距離を測ってブザー音でドライバーに知らせ、衝突しそうな場合にブレーキが作動する後退時ブレーキサポートは全車に標準装備されている。
2022年5月の一部改良で全グレードに拡大展開されたアダプティブ・クルーズコントロールは前走車と一定距離を保ってくれる点は便利だが、停車しているクルマの認識と自車の減速がもう少し早く始まれば安心感は高まるだろう。なお、停車後のブレーキ保持時間は約2秒間なので、ドライバーがブレーキペダルを踏む必要がある。
ナビはディーラーオプションのほかに、大型9インチタイプをメーカーオプションで選ぶこともできる。
GPSに加えて衛星測位システム「みちびき」「グロナス」にも対応していてGPSの電波が届きにくいビル街でも高い測位率を実現。このナビは地図、オーディオ、車両情報が色によってゾーニングされているため、初めての人にもわかりやすいのが朗報だ。スマホ連携機能が備わっていてApple CarPlay、Android Auto、Smart Device Linkにも対応しており、自車のまわりを3Dビューで確認できる全方位モニターもセット装着される。
なお、2022年5月に発売された特別仕様車「JスタイルII」には専用メッキグリル、車名アルファベットエンブレム、チタニウムグレーのインパネガーニッシュ、ナノイーXなどが特別装備され、専用ボディカラーも用意されている。
しんりょうみつぐ 1959年3月20日生まれ。関西大学社会学部マスコミ(現メディア)専攻卒業後、自動車業界誌やJAF等を経て、「ニューモデルマガジンX」月刊化創刊メンバー。35年目に入った。5年目から編集長。その後2度更迭され2度編集長に復帰、現在に至る。自動車業界ウォッチャーとして42年だが、本人は「少々長くやり過ぎたかも」と自嘲気味だ。徹底した現場主義で、自動車行政はもとより自動車開発、生産から販売まで守備範囲は広い。最近は業際感覚で先進技術を取材。マガジンX(ムックハウス)を2011年にMBOした。
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