車庫証明
[掲載日:2023年4月25日]
カーリースでも軽自動車は車庫証明がいらない?
届出が必要な条件と提出の流れを解説
カーリースを利用して車に乗る場合でも、普通自動車の場合は購入のときと同じように車庫証明を取得しなければなりません。
しかし、軽自動車では車庫証明は必要ない、という話を聞いたことがあるかたもいらっしゃると思います。
軽自動車の場合は、普通車と違って登録するときに車庫証明は必要ありませんが、お住まいの地域によっては保管場所を警察署に届け出る必要があります。
今回は軽自動車の保管場所の届出が必要となる条件や、届け出るときに必要となる書類やその流れを解説します。
この記事の執筆者
自動車専門ライター 高田 林太郎
▼もくじ
- 車庫証明とは?
1-1.車庫証明とはどんなもの?
1-2.『車庫』として認められる要件
- 軽自動車は車庫証明のかわりに『保管場所届出』が必要
2-1.軽自動車には車庫証明がいらない?
2-2.カーリースでも保管場所届出は必要
- 保管場所届出を提出しないと罰則の対象になることも
- 保管場所届出の提出の流れと必要書類
4-1.必要書類
4-2.提出の流れ
- まとめ
- よくある質問
1.車庫証明とは?
車というのは登録をする際、使用者が保管場所、つまり車庫を確保する義務があると定められています。その保管場所を確保していることを証明するのが『自動車保管場所証明書』いわゆる車庫証明です。
1-1.車庫証明とはどんなもの?
その昔、車の台数が非常に少ないころは、車庫証明という制度は設けられていませんでした。
しかし台数が増えてくると、他の車両や歩行者の通行を妨げたり、緊急車両が通れないなどといった事例が増えてきました。
そのことから設けられたのが『車庫法』という法律で、そこでは保管場所を確保しなければ登録できない、つまり公道を走行できないと定められました。そしてその保管場所が確保されていることを証明するのが『自動車保管場所証明書』、一般的に車庫証明と呼ばれているものです。
1-2.『車庫』として認められる要件
車庫である、と認められるためには、以下のような条件を満たしていなければなりません。
1)駐車場、車庫、空き地など、道路以外の場所であること
2)使用の本拠(使用者の住所)の位置から2km を超えないこと
3)自動車が通行できる道路から、支障なく出入させ、かつ、自動車の全体を収容できること
4)保管場所として使用できる権原を有していること
この条件は一見難しいようですが、ようするに自宅から2km 範囲内にある駐車場であれば問題なし、ということになります。
保管場所として使用できる権原を有しているというのは、月極駐車場などの場合でいうと、きちんと賃貸契約を結んでいればいい、ということです。
2.軽自動車は車庫証明のかわりに『保管場所届出』が必要
軽自動車はより手軽に自家用車を持てるようにする、ということから、規格を小型のボディサイズや小排気量のエンジンに限定するかわりに、自動車税を安くするなど優遇を受けています。
その優遇のひとつに、車庫証明がなくても登録ができる、というものがありました。これはボディサイズが小型なため、普通自動車と比べると邪魔になりにくい、ということも影響していました。
しかし車の台数が大幅に増えてきたことから、軽自動車といえども車庫証明が必要なのではないか、という議論が起こり、現在では条件付きで保管場所の届出が必要となっています。
2-1.軽自動車には車庫証明がいらない?
軽自動車を登録する際には、車庫証明が必要ありません。しかし使用の本拠地が以下の条件に当てはまる場合には、『保管場所届出』の提出が必要となります。
・各都道府県の県庁所在地
・人口10万人以上の市町村
・都心部から30km圏内の市町村
ただし、これらの条件に当てはまっていても、その地域の特性から保管場所届出をしなくてもいい、というところもありますし、逆に条件に当てはまってはいないのに保管場所届出を提出しなくてはいけない、という場合もあります。詳しくはお住まいの地域の警視庁、道府県警察のウェブサイトで確認してみてください。
2-2.カーリースでも保管場所届出は必要
カーリースとは、リース会社が所有している車を、契約期間中利用料金を支払うことで自由に使えるというサービスです。そのためカーリースの車は、所有者はリース会社、使用者は契約をした人ということになります。
そのため、車を身近において利用している契約者が、保管場所届出を提出する必要があります。
普通車の場合は先に車庫証明を取ってから登録をする、という流れとなりますが、軽自動車の場合は先にリース契約をし、車の登録をしてナンバープレートが交付されてから、保管場所届出を提出する、という流れになります。
この保管場所届出の提出は、リース会社によって代行をしてくれるところもあります。しかしその場合には代行手数料が発生し、月々の利用料金がそのぶん高くなる、というケースがほとんどです。
それほど難しい手続きではありませんので、少しでもお得にカーリースを利用したいと考えるなら、ぜひ保管場所届出の提出にチャレンジしてみてください。
3.保管場所届出を提出しないと罰則の対象になることも
保管場所届出の提出は、法で定められていて、提出が必要な地域にもかかわらず提出しなかった場合には10万円以下の罰金が科せられることがあります。
また、虚偽の届出をした場合も罰則の対象となります。
4.保管場所届出の提出の流れと必要書類
保管場所届出を提出するときの必要書類と、提出の流れは以下のとおりです。
4-1.必要書類
●自動車保管場所届出書
自動車の保管場所が確保されていることを届け出るための書類です。車のメーカーや型式、大きさ、使用者の住所と保管場所の住所などを記入します。
●保管場所標章交付申請書
警察署で書類をもらってきた場合には、自動車保管場所届出書と2枚一組の複写式となっているため、あらためて記入する必要はありません。
書類をダウンロードした場合には、自動車保管場所届出書と同じように記入します。
●保管場所の所在図・配置図
保管場所のおおまかな位置と、その場所のどの部分に車を置くのかをはっきりさせるのが、この書類です。
保管場所の所在図という部分には、ちょっと広めの地図を描き、コンビニや交番など、場所を特定しやすい目印を記載することで、車庫の所在地をはっきりさせます。
配置図は、自宅であればその場所を、駐車場を借りている場合にはその駐車場の中のどの部分に車を置くのかをわかるように描きます。同時に、駐車スペースの番号や寸法、出入り口の道路幅なども記載しておきます。
●保管場所使用権原疎明書面(自認書)、または保管場所使用承諾証明書
これはその保管場所を使う権限があるかどうかを確認するための書類です。
自宅など、車の使用者本人がその土地を所有している場合には、保管場所使用権原疎明書面(自認書)を書けばいいだけです。
駐車場を借りている場合には、大家さんや管理者に保管場所使用承諾証明書を書いてもらう必要があります。
●自動車の使用者の住所を確認できるもの(運転免許証など)
本当にそこが車を使用する本拠地であるかどうかを確認するため、使用者の住所を確認します。運転免許証がもっとも簡単に用意できますが、たとえば公共料金の領収書や消印のある郵便物など、実際に住所として使われていることがわかるものも用意しておくと、よりスムーズです。
4-2.提出の流れ
軽自動車の保管場所を届け出る先は、お住まいの住所を管轄する警察署となります。普通車の車庫証明は、申請をしてから調査をするため、実際に受け取ることができるのは数日後となりますが、保管場所届出の場合はその場で手続きが可能です。
必要な書類の準備が整ったら管轄の警察署に行き、窓口で提出をして不備がなければ、『保管場所標章番号通知書』と『保管場所標章(ステッカー)』を受け取ることができます。この保管場所標章の交付手数料は、地域によってわずかな差はありますが、おおよそ500円です。
5.まとめ
今回は車庫証明の取得についてご説明しました。
今回は軽自動車の保管場所届出についてご説明しました。
この保管場所届出の提出は、お住まいの地域によって必要であるところと必要ないところが存在しています。そのため軽自動車を購入したり、カーリースを利用して乗ろうという場合には、お住まいの地域では必要なのか必要ないのかを、警視庁や道府県警のホームページで確認してみてください。
もし、保管場所届出が必要な地域であるにも関わらず、届出を怠った場合には、罰金が科せられる可能性があります。
保管場所届出は車庫証明とは違い、提出したその場で手続きが終わりますし、標章の交付料も約500円と、車庫証明よりも安くすみます。
そのため使用者ご自身で提出をおこなうことをおすすめしますが、仕事の都合などで時間がとれない、という場合にはリース会社で代行してもらうことも可能ですので、相談してみてください。
6.よくある質問
- Q.軽自動車は車庫証明がいらない?
- A.車庫証明はいりませんが、お住まいの地域によっては保管場所が確保されていることを届け出しておく必要があります。ご自身がお住まいの住所はどうなのか、を確実に把握したいときは、住所地によって警視庁や道府県警のウェブサイトで確認してみてください。
- Q.保管場所届出で必要な書類は?
- A.保管場所届出の必要書類は、車庫証明とほぼ同じです。書類は各警察署で用意されているほか、警視庁や道府県警のウェブサイトからダウンロードすることもできます。
- Q.保管場所届出を提出しなかったらどうなるの?
- A.保管場所届出は車庫法で定められています。そのため保管場所届出が必要なところなのに怠った場合や、虚偽の届出をおこなった場合には、罰則の対象となりますので注意が必要です。
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倉田 佑一郎
[この記事の監修者]
自動車業界歴20年。24歳で自動車販売・買取の大手FC本部に入社。
加盟店へのスーパーバイジング(経営改善)を得意とし、最優秀サポート賞を複数回受賞。
独立後は多数の企業へ自動車ビジネスの支援をする傍ら、一般ドライバーへ向けた記事執筆や監修を行う。
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