カーリースのトラブル
[掲載日:2021年11月12日]
カーリースの契約前に確認必須!トラブルを防ぐには?
カーリースは契約期間を定め、その間に利用料金を支払うことで、車を自家用車のように手元に置き、使い続けることができるサービスです。
しかし、自家用車とまったく同じように使える、というわけではありません。リース車には、リース車ならではの制限があって、それを理解していないと思わぬトラブルに見舞われることがあります。
今回はそんなカーリースを利用する際に注意したいトラブルと、トラブルにならないために注意しておきたいことについてご説明します。
この記事の執筆者
自動車専門ライター 高田 林太郎
▼もくじ
- カーリース契約の基本
1-1.一般的なカーリースの場合「残価」が設定されている
1-2.契約年数はカーリース会社やプランによって異なるが、一般的には3~9年などが多い
1-3.改造やカスタマイズはできない
- よく聞くカーリースのトラブル
2-1.返却時に追加費用が発生
2-2.事故、故障による修理
2-3.著しい損耗と損傷
2-4.臭いや汚損
2-5.走行距離オーバーで超過料金が請求される
2-6.契約方式により残価設定
2-7.改造やカスタマイズ
2-8.中途解約
- トラブルにならないためには
3-1.安全運転
3-2.丁寧に車を扱う
3-3.車両保険を含んだ任意保険に加入する
3-4.改造やカスタマイズはしない
- まとめ
1.カーリース契約の基本
まずはカーリースが車を購入するのとは違う、という点を確認しましょう。カーリースで起こりがちなトラブルのほとんどは、この基本を知っていれば防ぐことができます。
1-1.一般的なカーリースの場合「残価」が設定されている
一般的なカーリースは、契約期間後に車をリース会社に返却することになっています。そのときの車の価値、いわゆる残価を車の価格から差し引いた額をベースに、利用料金を設定することで、お得に車を使えるのです。
1-2.契約年数はカーリース会社やプランによって異なるが、一般的には3~9年などが多い
カーリースの契約期間は、3〜9 年が主なものとなります。契約期間が短ければ月々で必要となる利用料金は高めとなり、長ければ低く抑えることができます。
1-3.改造やカスタマイズはできない
カーリースの車は、リース会社が所有者となっているため、一般的なタイヤ交換などは可能ですが、改造やカスタマイズを利用者がおこなうことは認められていません。
2.よく聞くカーリースのトラブル
では、カーリースを利用しているときに起こりうるトラブルを見ていきましょう。中でもよく聞くのは、返却時の車の価値が、最初に設定していた残価と違っている、ということに起因するものです。
2-1.返却時に追加費用が発生
契約時に設定していた残価よりも、実際の車の価値が低くなってしまった場合には、契約終了時にその差額を利用者が支払わなければなりません。そのため、カーリースを利用しているときは、車を丁寧に扱っておいたほうがいいでしょう。
2-2.事故、故障による修理
車の実際の価値を下げてしまう大きな要因に、事故や故障があります。それだけではなく、損傷は修理をしなければなりません。契約期間中の事故や故障の修理は、利用者がおこなわなければなりませんので、それに対する費用も必要となります。
2-3.著しい損耗と損傷
事故や故障ではなくても、たとえば縁石に車をこすってしまったとか、駐車する際に壁にぶつかったなどという損傷も、返却時の車の価値を下げてしまい、追加料金を支払う要因になりがちです。
2-4.臭いや汚損
喫煙者のかただけではなく、ペットとのお出かけが多いなどといったことから発生する、臭いに関しても、車の価値を下げてしまいます。アウトドアスポーツがお好きで、汚れたものを搭載する機会が多かったり、内装を傷つけがちな場合にも、車の価値はそのぶん低くなります。
2-5.走行距離オーバーで超過料金が請求される
カーリースは契約するときに、ひと月になんkm とか、年間で何万kmといったように、基準となる走行距離を定めます。その基準走行距離を大幅にオーバーしてしまうと、返却時に超過料金が発生する可能性があります。
2-6.契約方式により残価設定
カーリースの契約には、残価を想定しつつ、実際の車の価値との差があった場合には精算が必要となる『オープンエンド方式』と、実際の車の価値に関わらず精算の必要がない『クローズドエンド方式』という2タイプがあります。一般的に、オープンエンド方式のほうが月々の利用料金は低く、クローズドエンド方式は高めになりがちです。オープンエンド方式では車を丁寧に扱っておくことで、返却時の精算を抑えることが可能となります。
2-7.改造やカスタマイズ
カーリースでは、サスペンション交換やマフラー交換などといった改造や、エアロパーツの装着などといったカスタマイズは認められていません。ただし、自動車メーカーがオプションパーツとして用意しているものを、装着した状態でカーリース契約するのは、問題ありません。簡単に取り外せるシートカバーなどを装着するのは、カスタマイズには含まれません。
2-8.中途解約
カーリースは原則として、契約期間中の中途解約ができません。契約中に海外へ赴任することになった、などという場合には、残っている契約期間の利用料を支払って精算することで、解約できる場合もあります。しかし、そのようなやむを得ない事情以外での解約ができないので注意が必要です。
3.トラブルにならないためには
カーリースを利用する中で、ここまで上げてきたようなトラブルに見舞われないためには、どうすればいいのでしょうか。じつは、それほど難しいことではありません。
キーワードは、安全・安心・丁寧、です。
3-1.安全運転
まずは、安全運転を心がけてください。事故というのは、思わぬときに遭遇します。とくに、もらい事故に関しては避けようがない場合もあります。しかし『かもしれない運転』を心がけていれば、もらい事故に遭う可能性は大きく減ります。
故障に関しても、避けようがありません。しかし普段から異音や振動に気を配っていれば、いつもと違う音や感触に気がつくときがあります。そこですぐに点検に出せば、故障が小さいうちに対処することも可能です。まずいのは、小さな故障を放っておいたことで、大きな故障につながってしまうということなのです。
3-2.丁寧に車を扱う
もちろん個人差はありますが、臭いに関しては注意が必要です。とくに喫煙者のかたやペットとのお出かけが多いかたは、臭いが車内に染みつかないように気をつけましょう。
また、アウトドア好きで機材を積み込む機会が多いと、内装に傷を付けることも考えられます。
しっかりと機材を保護しておくことは、車内の傷防止になるだけではなく、機材の破損も防ぐことができますので、心がけておきたいところです。
3-3.車両保険を含んだ任意保険に加入する
もらい事故や自損事故など、事故はいつ起きるかわかりません。そのとき、任意保険に加入していなければ、車両の損害はすべて、利用者負担で直さなければならなくなります。そのため、車両保険を含んだ任意保険には、かならず加入しておきましょう。とくにカーリースでは、リース車特有のトラブルにも対処可能な、リース車専用プランへの加入を、強くオススメします。
3-4.改造やカスタマイズはしない
シートカバーや汚れを落としやすいフロアマットの装備などといった、すぐ元に戻せるものは別として、改造やカスタマイズはリース車では、認められていません。これはリースの契約事項にも含まれています。改造やカスタマイズを考えている場合には、リース車の利用はしない、と憶えておきましょう。
4.まとめ
今回はカーリースを利用するときにありがちなトラブルについてご説明しました。
カーリースは契約期間終了後に、車を返却する必要があります。そのとき、車の価値が低くなっていると、精算金が必要となる場合があります。事故や車体、内装の傷などに加えて、臭いなども価値を下げる要因となりますので、車は丁寧に扱うようにしたいところです。
また、カーリースは原則として、中途解約ができません、いたしかたない事情で解約する場合には、残った契約期間の利用料金を精算する必要があります。そのため、契約期間を決めるときには、月々の利用料金からだけではなく、ご自身の生活環境の変化、たとえばご家族が増えるかもしれないなどといったことも考慮した、車種の選択や契約期間の決定をおこなってください。
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倉田 佑一郎
[この記事の監修者]
自動車業界歴20年。24歳で自動車販売・買取の大手FC本部に入社。
加盟店へのスーパーバイジング(経営改善)を得意とし、最優秀サポート賞を複数回受賞。
独立後は多数の企業へ自動車ビジネスの支援をする傍ら、一般ドライバーへ向けた記事執筆や監修を行う。
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